山豐農園
~自然薯販売 山菜 野菜の生産日記~
心配していたのですが、今朝午前0時に母牛が破水しました。

いよいよです。
寝ようか…

が…一向に生まれる気配なし。
時計は午前2時30分。

「おいおい、死んでるんじゃないか

と、親父が不吉なことを言い始めます…

私と母は、親方(親父)の判断に従うしかありません。
親父は、母牛に手を突っ込んで、子牛を確認し、
「よし、産ませるぞ。」
の判断。
自然に産まれると一番いいのですが、産むのがヘタクソな牛もいるのです。
大体、初産の牛に多いです。
そういった場合はお産を手伝ってあげます。

前足を、ゆっくり引っ張り出し、ロープを掛けます。
私と母は、親父の合図でロープを引きます。
ゆっくり、ちょっとずつ。
子供のころから何度もこの光景を見てきましたが、何回見てもこの瞬間は奥歯に力が入ります。
あまり時間をかけると、母子共に危険なので、迅速かつ丁寧に。
母牛と、人間3人の共同作業。




難産でした…。時計は午前3時ちょうど。

無事に誕生させることが出来ました。



男の子です。

他の牛たちも、
「も~。も~。」
と鳴いて祝福します。
すごいですね。やはりおめでたいと分かっているんでしょうか。
この前産まれた、『福太郎』君は、すぐ隣の牛舎にいるんですが…

爆睡です。(笑)
どうも、この仔はひじょ~にのんびりした性格です。
何はともあれ、よかったよかった。

それから、私たちもちょっと眠り、先ほど赤ちゃんの様子を見に行ってみると、

お母さん牛の横ですやすや寝てました。

名前が決まったらまた報告します。

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昨日生まれた、黒毛和種の赤ちゃん。男の子です。

かわいいですね~。

大きな二重のお目目に、長いまつ毛。

名前は、『福太郎』
なんか、縁起がよさそうな名前ですね。


まだぎこちないですが、カクカクと歩きます。(笑)

子牛は、生産者が名前を付けて、それが登録されます。
うちの場合は親父が命名します。
セリの名簿一覧にも名前が載るのですが、最近では『羅武』や『樹里亜』といった、キラキラネームも多くなっています。
おもしろいのでは、『ともちん』とか、『ぱるる』とか言う名前も。
生産者がAKB好きなのでしょうか。


うちは『繁殖農家』なので、生後約9ヶ月でセリに出します。
出荷時の目標体重は、雄で300キロ、雌で280キロです。
もちろん愛情を注いで育てなければ、いい牛は育ちませんが、愛情を注げばそそぐほどセリでの別れはつらいものです…

畜産業というのは、色々な意味で大変な仕事ですね。
セリに出した子牛は、全国から『肥育農家』の方がセリ落とし、それからさらに21ヶ月、独自の飼料を与えて育てて上質なお肉をつくります。
出荷時の体重は約800キロ。

種牛では1トンを超えるものも。
畜産には親父が詳しいのですが、血統が良いものほど病気にかかりやすかったり、死産だったりするそうです。

うちには、もう一頭予定日を過ぎている母牛がいます。
こちらも無事に生まれてほしいものです。
福太郎君も、病気にならないように、たくさんお乳を飲んで元気に育てよ~。


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